性別:(無回答)

性別違和を患った、右寄り若人の戯言。

就活との闘い

実に久々の更新となってしまった。

まあ、こんな誰も見ていないような記事に久しぶりもクソもないかもしれないが。

 

最近ものすごく嬉しかったことがあり、なんと就職先が決定した。

 大学院からの推薦を得て、最も望んだ企業へ無事迎えて頂くことになった。

  

にしても、昨年夏頃から就活関連の催しに色々と参加してみたが、まあ…楽しいこともあったし、その分嫌なことも色々あった。

就活というのは、自分のような性別違和を持つ人間が頭を抱え込む場だと頻繁に言われている。

皆して着るリクルートスーツは性別でキッパリと分けられているし、応募時のwebサイトや書類ではかなりの高確率で性別を問われる。それも、2択回答必須で、空欄のまま進もうとすればエラーとなるパターンが実に多い。

本当に、就活の場から性別という概念が滅びてほしいと、何度願ったことか。

 

四季報が必ず性別ごとの採用人数を載せることに反感を抑えられなかった。自分もいずれ採用されたら、きっぱり「修士・女」のところに入れられてしまうのか。

説明会の類に行くと、結構な確率で「女性の働き方」的なピンクがかった冊子を渡された。突き返したかったが、感じが悪くなると思い、必死で抑え込んで帰宅後に速攻で捨てた。

他の学生よりよく覚えてもらえると感じることが多かったが、それは自分(の身体)が女だからなのだろうか。そんな理由で覚えてほしくない。願わくば、自分の人格に魅力を感じたからであってほしい。

性別を2択で強制登録させておいて、女性向けセミナーの案内メールを送りつけられるのには非常に腹が立った。Gmailのフィルタ機能で「女性限定」「理系女性」といった単語を含むものを速攻でゴミ箱に放り込む設定をした。戸籍に嘘をつく勇気は出なかった。

 

…などなど、鬱憤を挙げ始めたらキリがない。

そんな中、推薦を出した例の企業に、少しだけ賭けをしてみた。

提出する履歴書として、少し変わったものを使ってみたのだ。

 

”性別欄をなくした”新しい履歴書! - AO*AQUA

こちらは、佐賀県のセクマイ団体「AO*AQUA」の方々が作成した履歴書テンプレートだ。別に自分が佐賀県にゆかりがあるわけではなく、単に「履歴書 性別欄なし」でググった時に出会っただけだった。

一般に就活用に使われる履歴書に比べると、自己PRや志望動機の欄が少ないようにも思えたが、性別という概念に抗ってみるにはこれを使うしかないと思った。

やる気がないと思われないか不安ではあったが、結局は上手くいくこととなった。

 

今思い出してみれば、例の企業はweb上で性別回答欄を設けていなかったし、女性の働き方とかいう下らないパンフレットを突きつけてくることもしなかった。もしかすると、「性別であれこれ言うのはナンセンスだ」という考えが既に浸透しているのかもしれない。実にありがたい話だ。

顔面や髪に手を加えず、メンズの革靴を履き、ネクタイは締めない。そんな我流のスタイルで面接に臨んでも、結局は中身の方をしっかり見て頂けて、今の結果があるということだ。

 

今後とも、このように寛容な企業が増えていきますように。

自分と同じ気持ちで苦しむ人がこれ以上出てくるのは、自分としても許せないから。

 

最後にどうでもいい余談になるが、つい先日このブログのタイトルを変えた。

旧タイトルは「GD患いし右の戯言」だったが、就活に毒されたのかGDが「グループディスカッション」にしか見えなくなってきたし、それ以上に要旨を引っくるめ過ぎていて自分でも分かりにくかった。

そんなわけで、もっと単純なコンセプトとして「性別:(無回答)」としてみた。