LGBTという表記法が、気持ち悪い
ここ数年で、一気に認知度が上がった単語「LGBT」。
レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの頭文字を取ってこうなったという。これら4つは、性的少数者に見られる分かりやすい特徴4つというわけか。
早速だが、自分の意見を述べさせてもらう。
この表記法、一貫性がないため自分はかなり嫌いだ。
まあ、便宜上今まで何回かこの言葉を使ってきたが。
一貫性がないとはどういうことかというと、前者3つは性指向、すなわち「何が好きか」を示しているのに対し、最後の1つだけが性自認、すなわち「自分が何者だと思っているか」を示しているのだ。
例えを使うと、「ベジタリアン、酒豪、ジロリアン、食いしん坊」と並べているようなものだろうか。前者3つは繁く嗜むものを表しており、最後1つは単なる自らの胃袋の容量を表している。
…うーん、やっぱこの例え下手かも。
それはさておき、LGBTという単語に独り歩きされるとさぁ…あまり事情を良く分かっていない人からしたら、「性的少数者はLかGかBかTの4パターンのうち、どれか1つに分類される」と勘違いしてしまうのではないか?
Tだけは異なる軸上にある概念であるため、TとLGBを併せ持つことも有りうる…これをちゃんと理解できる人間は一体、世間の何パーセント程いるものだろうか。
実際、LGBTという表現に違和感を示している人は自分以外にもいる。代替表現として見たことがあるのは、LGBTQ、LGBT+、SOGI、辺りだろうか。
「Q(queer、クィア)」や「+」 は、LGBTの4つどれにも該当しない性的少数者を示すとのことだ。また「SOGI」というのはSexual Orientation and Gender Identityの頭文字を取ったもので、「性指向and性自認」と言っているに過ぎない。
文句の多い奴だと言われそうだが、自分はこれらの代替表現もどうも受け付けない。
人間が人生の中で焼き付けてきた"当たり前"の感覚(?)をアップデートするのは実に難しいことであり、ここ近年になってようやく、世間一般大衆の脳内の辞書の中にLGBTという単語が登録されつつあるところだ。
そんな最中で、Qだの+だの付けたり、SOGIなる別表現を持ち出してみな。
世間一般大衆が「わけわからなくなる」未来しか見えない。せっかく性的少数者に関する知見を深め始めてくれた皆の者が、「やっぱりわけわかんねえな、あの界隈」と言って見放してしまうビジョンが浮かぶのだ。
というか特に「SOGI」だと、少数者を表す意図すらなくなっている。まるで「スレンダー美少女」を「体型and顔面」と言っているようなものだ。
「そこまで文句言うんなら、性的少数者のこと何て呼べばいいんだよ!?」
正直、「性的少数者」「性的マイノリティ」で良いと思う。
別にわざわざアルファベット表記の世界共通言語を使う必要はないだろう。
こう言った方が、直接的で分かりやすくないか?
該当者の自分でも、そう思う。