性別:(無回答)

性別違和を患った、右寄り若人の戯言。

自己肯定感(と引き換えに大切なものを失った)

今回はバリバリ自分語りです。

性別違和人間のリアルに興味のない方は、時間の無駄なので今すぐ戻りましょう。

 

 

前の記事2つでもそうだったが、自分は「自分」という一人称を非常に気に入っており、改まった場でない限りリアルでも「自分」を使用している。

なぜなら、どのメジャーな一人称に比べても、性別を感じさせずニュートラルだからである。

それはさておき、これ以降は自身の過去の話となるが、その前に一つ情報を補足しておく。この補足情報によってこのブログを見る目を変えることだけはして頂きたくないが…

自分の股間に、モノは付いていない。

 

 

中高生の頃、自己肯定感は最低レベルにまで落ち込んだ。

自分含め周りが大人へと成長していく中、自分はただひたすらに"女らしく"なることを拒絶した。"女らしい"気持ちを抱くことを拒絶した。

この拒絶の気持ちは、自分の容姿が醜いのが原因だと思い込んでいた。順調に"女らしく"なっていった友人たちを見て、遣る瀬ない気持ちにもなった。嫌味を言ってしまったこともあった。

少し気になって、当時から知っていた「性同一性障害」というワードを調べたりもした。しかし、胸を削ぎ落として股間にモノを付けたいという気持ちまでは至らず、「やっぱ自分はこれじゃないな」と思い、結局は自己嫌悪へと舞い戻った。

この嫌悪感に拍車をかけるように、BLアニメにハマった時期もあった。

"女らしく"なりたくない自分がBLアニメという女性向けコンテンツに夢中だって?何てこった。結局自分の脳味噌は女?ああ気持ち悪い。クソ、何で自分は生きているんだろう。顔も性格も趣味も悪い、たかがS台模試でちょっくら良い点数出せるだけの人間がこの世に在る意味は何?こんな、自分とかいう二酸化炭素排出機、ある日突然存在ごと消えて無くなってしまえばいいのに…

風呂で、トイレで、ベッドの上で、何度も涙腺を枯らした。

 

大学に上がり、上記のような精神科を受診すべき鬱状態は脱することができたが、"女らしさ"への拒否感はご健在で、やはり原因は顔のせいだと思い込んでいた。大学は当然私服で登校だったが、頑として下半身はジーパンしか履かなかった。

ちなみに、自分の顔面の自己評価値を示しておくと、街を歩いていて75%は確実に自分より美しく、5%は確実に自分の方がマシ…と考えると、100人並べて85番目ぐらいを想像して頂けるとよい。

なお、学祭等で女の子のコスプレをしたことはあり、その時はあくまで「おふざけ」だったため、拒否感どころか存分に楽しむことができた。ただし、後日熱が冷めてから写真を見返した時の消えたい感は…察してほしい。

あと、成人式というのも自分にとっては地獄だった。振袖なんぞを着るのでさえも嫌だったのに、親に騙されて強制的に前撮りに連行されたのだ。あれだけ拒否していたのに。自分を0歳の頃から育ててくれた両親にはこの上なく感謝しているが、この一件に関してだけは憎まざるを得なかった。もはやトラウマである。

 

大学生活の後半、少し転機があった。自分の出身学部は9割以上が男子生徒だったが、そんな中1人の人物に異様な興味を抱いた。容姿は美しくやや中性的で、寡黙だが面白味を秘めた人だった。この異様な興味と尊敬は、さては恋愛感情というものではないかと疑った。

(ここで、BLアニメの頃のくだりを繰り返すので中略)

数ヶ月間この感情を引っ張ったが、消滅する兆しは見えず、いい加減ケリをつけたくなりご本人を呼び出した。興味が絶えないのだと正直な思いを伝えた。

その様子は、第三者の視点から見れば完全なる「告白」だろう。ご本人はこちらの発言に対して「いいよ」と返した。

 

美しいあの人と醜い自分、アンバランスな組み合わせだ…と気に病むことも多かったが、向こうが言うには人の容姿はあまり気にならないとのことだった。しかし、会話の傍らで柔らかに伝えられた内容があり…「自分に自信を持って欲しい」「可愛い服を着て欲しい」「長い髪の方が好き」なんだと。

経験したことのない状況に陥った自分はきっと酔っていたのだろう。「あの人がそう望むのなら、そうなってみようかな。」

おそらく世間一般の大多数がこの一連の話を聞くと、「ア〜ハイハイよくあるやつ〜男ができると覚醒するものだよね〜良かったね〜メデタシメデタシ〜」なんだろうな。

 

大学院生になり、何がきっかけかは忘れたが性的マイノリティの話に強い興味を抱いた。

かれこれ「世間に女として認識されるのが嫌だ」のような感情を残していた自分は、当事者たちの書く文章にグッと引き込まれていった。

そのような中、自分の身の置き場所となる一つの概念に出会った。

Xジェンダー」、自らを男性とも女性とも認識していない状態。

……これだ!!!!!!!!!

 

今まで、自分の居場所なんてないと思っていた。"女らしさ"を拒みつつ性転換を望むわけでもない自分は、ただの醜い負け犬だと思っていた。頭のどうかしている自分は、勉強以外どこにも取り柄のない粗悪品だと思っていた。

何だか突然、気取らない飾らない本当の自分を、もっと大切にしてあげようと言う気持ちになった。

これまでの人生での自己嫌悪の原因が一気に繋がり、昇華され消えていく感覚がした。

そして、盲目的に"女らしく"なろうと試していたのが、突然馬鹿らしく思えた。

 

他者にどう言われようと、自分が自分を一番肯定できる生き方を、姿を取ればいい。

とりあえず、髪を再び短くした。スーツをパンツスタイルに買い替えた。あの人の前だけで試してみたスカートをメルカリで売った。

 

この顛末を知って、「あちゃ〜、また道を踏み外しちゃったね〜。」と感じる人はどれくらいいるのかな。多分、自分の推測では8割強かな。

この記事のタイトルも、きっと8割強の人がちゃんとカッコの中まで感じ取るのだろう。きっと、自分の家族だって友達だってそうなんだろう。

 

少なくとも自分は、何かを失ったとは感じていない。

例のあの人は、こんな自分を今までと同じようには見られなくなるかもしれない。それでもいい。ただ、一生の親友ではあって欲しいと思う。